江戸時代からせりが栽培されている日本一の産地
日本一のせりの産地・宮城県名取市。仙台せりの歴史は古く、名取市では江戸時代からはじまったといわれています。なかでも名取川の伏流水が豊富に湧き出る上余田(かみようでん)・下余田(しもようでん)地区の地質は、水田で栽培されるせりと相性が良く、現在も盛んに生産されています。
せりの収穫は寒くなりはじめる10月からスタートし、冬の寒さを耐えるために甘みが増す2月~3月においしさのピークを迎えます。
小さなお子さんも安心の無農薬でせりを栽培する下余田地区の農家・三浦隆弘さんに話を伺いました。
「せりは鮮度が命!収穫したてが香りと食感がよく、1番おいしい。時間が経てば経つほど、えぐみやしぶみが出てきてしまうんです」と三浦さん。できるだけ鮮度が落ちないように、収穫や配送の方法を工夫し、宮城県内の飲食店などにせりを届けています。
根っこまで食べる「仙台せり鍋」は、収穫したてのフレッシュな状態でなければ、おいしさが伝わりづらいメニュー。だからこそ、産地・宮城県で味わうのがオススメです。
さっぱり風味の仙台せりと濃厚な鴨だんごが相性抜群!「わのしょく二階」
創作和食店「わのしょく二階」では、三浦さんが栽培した無農薬仙台せりを使った鍋が味わえます。
「仙台せり鍋」の出汁は、鶏やかつおなど店によってさまざまですが、こちらでは鴨をふんだんに使っているのが特徴。鴨は宮城県蔵王産のバルバリー種という良質な真鴨です。臭みが少なく上品な脂は、甘みもありジューシー。その鴨肉は出汁だけでなく、具材の肉団子にも使われています。
まずは根っこをいただきましょう。「根まで食べるの!?」と驚く人も多いと思いますが、ひとつずつ泥を丁寧に落とし、キレイに下処理してあるのでまるごと食べられるんです。せりはグツグツ煮込まないのがポイントです。
口に広がる清涼感のなかに甘みも感じるせりと、脂のりのよい濃厚な鴨だんごが絶品!茎や葉の部分も、シャリシャリとした歯ごたえがたまりません。新鮮なせりは苦みが少ないので、お子さんでもパクパク食べられちゃいますよ。
採れたての仙台せりをしゃぶしゃぶスタイルで味わう「いな穂」
仙台駅から徒歩すぐで、アクセスのよさから観光客も立ち寄りやすい居酒屋「いな穂」。カウンターと小さなテーブル席があるこぢんまりとした店内で、宮城の旬な食材が味わえます。
お店の名物料理「せりしゃぶ」は、昆布とかつおで取った出汁に鴨肉を入れ、ひと煮立ちさせたスープにフレッシュな無農薬仙台せりをくぐらせます。
「いな穂」は、せりをしゃぶしゃぶのように食べる独特なスタイルを生み出したといわれるお店で、“根っこは10秒、葉は3秒”が目安。軽く熱を通したせりのシャキッとしたみずみずしい食感と、鼻を通るさわやかな香りがたまりません!
シメは濃厚ながらもさっぱりしたスープが絶品のラーメン。最後の一滴まで飲み干してしまうおいしさです。
今回紹介した2店とも「仙台せり鍋」が食べられる冬季は予約がオススメ。地元っ子が自信を持ってオススメする“宮城の冬グルメ”をぜひ味わってくださいね。
もっと知りたい!「仙台せり」のななびチェック!
食物繊維がいっぱいで低カロリー!
食物繊維が腸の働きをよくし、カロリーも低いのでダイエット中のパパやママにオススメです。
ビタミンCやミネラルも豊富
ビタミンCは風邪予防、ミネラルは骨の生成に欠かせない栄養素。冬は特に不足しがちなので、ファミリーで意識して食べてみましょう。
仙台せりをおいしく食べる秘訣は?
さわやかな香りとシャキシャキとしたみずみずしさ特徴なので、火を通しすぎるのはNG!